儲けを出すコツのようなものがある
開業前なら、どうやって開業資金を集めるのか、今の現状から銀行融資を受けることはできるのか、それとも他に有効な手立てはあるのか、そのあたりがとても気になるところだとは思うのですが、その前に考えてみてほしいこと。
開業資金よりも先に考えること
開業したはいいけれど、経営を続けていけなくては意味がないので、開業資金よりも先に考えておかなくてはならないことがある。開業資金を得るには、それなりに準備も必要で大変なことではあるけれど、経営の方がもっと大変。
実体験として、「儲けるとは、一体どんなことか?」を考えてみる時間がとても大切。“儲ける”とは、少し生々しい言葉ではあるのですが、経営者となった時、その生々しさに直面すると、みなさん、意外なほど取り乱します。これ、本当に。
25ヶ月目、利益が出始めた瞬間の驚き。
開業から2年間、支払いを済ませると、少しばかりの自分の取り分が残るだけ、ほとんど利益が出ませんでした。経営のことについて相談できる人がいませんでしたし、税理士さんも、そこまではケアしてくれません。
まだ若かったこと、負けず嫌いの性格もあって、ギブアップすることができず、ただただ耐えるだけの月日でした。それでも“何かのきっかけがあれば”という思いで、メニューを手直ししてみたり、看板を作ってみたりの日々が過ぎていきます。
「儲けるとは、このことか」と思ったこと。
まさしく、その日は突然やってきました。
とある日から、正確には“この日”というのがあったわけではないのですが、「噂を聞いて来ました」とか「友達から勧められました」とか、そう言って来店するお客さんが増え始め、何かの間違いかと疑うほど、それが続くのです。
もうすぐ2周年になることだしと、メニューを思い切って作り替えました。それも今までのメニューが半分以下になるほど減らした、絞れるだけ絞ったというようなものでしたが、これがびっくりするほど集客に効果的だったわけです。
集客こそ、25ヶ月目のあの日があったから。
今、多くの経営者さんから相談を受け、その度に話すのが、とにかく“集客ですよ”ということ。“おいしい料理さえ作っていれば”と言う経営者さんは多いですが、それだけでは集客できないほど、今の飲食業界というのは競合が激しいのです。
これから開業しようと考えている方からも相談を受けますが、そのほとんどが“開業資金”のこと。ですが、それよりも先に考えるべきこと、いかに利益を出すか、これさえ明確になれば、銀行から融資を受けても返済していく目処が立ちます。