カフェ経営News:カフェと飲食店「経営・集客」

飲食店の開業資金と資格、集客から経営まで

どんなお客さんに来てほしいか、顧客を絞る大切さ

どんな小さなビジネスであっても、その経験がない人にとっては“顧客を絞る”というのは、儲かる可能性を低くしてしまうと思えるもの。ですが、実際に経営してみると、絞る以外に方法がないことを実感するものなのです。

顧客層が明確になっているか?

顧客を絞るといっても、あまりにも絞り過ぎれば、やはり儲かる可能性を下げてしまいます。特に人口が5万人といった比較的小さな街で、車でないと行けないような立地、幹線道路に面していないなら、絞り過ぎることは危険です。

ただ、ある程度の商圏(競合店がわりと多い)に出店するなら、絞らないことが逆に危険で、集客できない、売上が思ったように伸びないと相談を受ける大半の事例で、お客さんを全く絞り込んでいない、想定さえもしていません。

顧客を絞ることで見えてくることが、あまりにもたくさんある。

“どんなお客さんに来てほしいか?”という問いに答えなければ、どうやってメニュー構成や価格を決めるのでしょう。もっと根本的なところで、お店の外観や内装、テーブル席やカウンターの設置など、顧客層によって合わせるべき事柄なのに。

逆に、ある程度でもいいので、“ぜひ来てほしいお客さんを想定”すれば、どんな料理や商品、その価格や客単価など、だいたいのところで全体像が描けるはずです。もちろん、微調整は必要ですが、ある程度は通用するメニューが出来上がります。

事例:繁盛店になった食堂

両親が経営する食堂を受け継ぐ予定の息子さんから、だんだん売上が下がっているいて、今後の方針について相談を受けた時のこと。ある程度の現状を把握できたら、今後の展開について、ご本人の希望を話してもらいました。

地域が高齢化していることもあり、それに伴って客足も落ちていて、それなら駅の反対側のバスターミナルには、大学や専門学校の学生さんが降り立つのだから、学生さんに来てもらえるような店作りにしていきたい、と。

改装を機に一転、学生さんだけでなく、若いサラリーマンの姿も。

改装といっても予算50万円ですから、クロスを張り替えて、看板を新しくする程度。“800〜1,200円くらいで、お腹いっぱい”ということだけ決め、“味よりは量を重視”をテーマにメニューを組み、とんかつ定食などを中心にラインナップ。

学生さんというのは友人関係のネットワークを持っていますから話が伝わりやすく来店してもらえたのですが、意外だったのは若いサラリーマンの来店が多かったこと。学生が集まるということは、“安くて量が多い”というメッセージなんですね。