カフェ経営News:カフェと飲食店「経営・集客」

飲食店の開業資金と資格、集客から経営まで

コーヒーショップを開業

カフェ経営news:に寄せられた質問などから、毎回ひとつのテーマを取り上げて、関連するトピックスなどとともにご紹介しています。

実は、知人が脱サラしてコーヒーショップを開業しようとしていて、昨秋の終わり頃から一緒にコーヒー専門店を回っています。

場所はまだ決まっていないのですが、事業計画書の下書きのようなものはすでにあって、そんなタイミングでCAFERES6月号が発売されたので購入したわけです。

最初はパラパラと眺めていたのに、これは意外におもしろいと思い始めて、その知人にも勧めたら、さっそく買って「いいね、これは使えるね」と言っておりました。

CAFERES 2019年 06 月号 [雑誌]
CAFERES6月号「バリスタのカフェ開業」

この号は、バリスタという専門職にある人に向けた特集になっているので、だったら関係ないと思われがちだと思うのですが、特にカフェの開業に興味がある方にはヒントになる要素が多数あるので手に取ってみてください。おすすめです。

新たなコーヒーブーム到来

京都市内では今、コーヒー専門店がブームといったくらいに開業が立て続けです。

元々、創業が昭和初期というような喫茶店がいくつかありますし、それこそ創業数十年ということならいくつも思い付くくらいに喫茶文化が根付いた街です。

そういったお店では自家焙煎というところがほとんどで、自家焙煎じゃないお店でも、自家焙煎したコーヒー豆を卸専門でやっている会社がいくつかある(故にこれらも創業数十年)ので、大手の大量流通品を使わなくてもいい状況にあります。

ここ最近では、若い経営者さんによるコーヒー専門店、それもスタンドコーヒーショップのような狭小店から古い喫茶店の居抜き、おしゃれ系のカフェっぽい店舗まで、様々なお店がオープンしています。*

*ちなみに、コーヒー豆については、自家焙煎のところもあれば、小規模ではあるが実力派と言われている自家焙煎コーヒー豆を扱うところから仕入れている場合もあります。

その上、自家焙煎のコーヒー豆を売る個人店も増えてきていて、個人向けの販売が主なようですが、飲食店であれば卸での対応も可能なところがあると聞きつけて、コーヒーショップを開業しようとしている知人も、そういったところから仕入れるつもりでいます。

スタバやタリーズのようなチェーン系も人気なんですが、喫茶店があちこちにあって、焙煎が強めでしっかりした味わいのコーヒーがわざわざ出かけていかなくても近所で楽しむことができるのだから、喫茶文化は健在だと感じるというわけなのです。

あえてコーヒーショップではなく、カフェ

上ではコーヒーショップ開業と書きましたが、表向きはカフェにしようと話しています。

実際のところ、知人はコーヒーをメインに考えているので、業態としてはカフェではなくてコーヒーショップが適当なんですが、競合が多すぎて、知名度もないのに割って入っても苦労するだけだろうという見立てです。

なので、“間口が広い”カフェとすることで集客をし、そこで渾身のコーヒーを淹れるというスタイルにする予定です。

この“間口が広い”とは何なのかと言えば、コーヒーショップだと、当たり前ですがコーヒー好きのお客さんが集まります。ただ、競合ひしめき合う中に飛び込むのは得策ではないとの判断で、あえてカフェとして開業する。

そこで、“コーヒーがおいしいカフェ”として認知してもらおうというのが、知人の戦略です。

これまでカフェ経営Newsでも、カフェという大まかなカテゴリーでコラムや記事を書いてきていますが、個々の事例では、“どこに特長を持たせるか?”という部分にフォーカスしてきました。

専門店にしてしまうと、来店に躊躇するお客さんというのが実際にはいて、特に地方であれば顕著ですし、それなら入りやすさを重視して、中身・内容は専門店と比べられても引けを取らないというスタイルで経営する。

対象を絞りすぎると、集客できなくなる。

知人にしても、コーヒーショップと名乗りたいのは山々だけど、というのが本音です。

間口を広くしておいて、後から絞ることは可能でも、最初が狭く、それに気づいて広げようにもどうにもならないという事態になれば、そうでなくても飲食店というのは出店費用がそれなりに必要ですから、考えられるリスクは最小限になるよう対策しておきたいもの。

経営者であれば、“売上の最大化”は命題ですから、自分の思いだけで突っ走るのではなく、競合店をしっかりとリサーチし、状況を把握する。

売上の最大化なんて言葉にすると、商売っ気が強すぎると感じるかもしれませんが、多くのお客さんに来店してもらい、ファンとして足繁く通っていただくことへのプロセスを言い換えが「売上の最大化」なので、これを名目にすることに躊躇することはありません。

内心そうは思っても言葉にすると強く感じるというのは、確かにそうですね。

ですが、経営者として目を背けず直視すべき事柄ですし、経営というのはすべからず「売上の最大化」が最重要課題であるのも事実です。

経営者の資質

経営がうまくいかないと相談を、これまでにたくさん受けてきたわけなんですが、その大抵で、メニューに工夫が足りないような、手を加えれば何とかなるようなことを除けば、商品やサービスに決定的に不足がある事例はそれほどありません。

だったらなぜ経営に行き詰まるのかと言えば、“集客できない”から。

いくらいいものを提供していたって、それを知らせなければ、誰にも気づいてもらえないのは自明のことですよね。

相談を受ける中で、「いいものを出しているのに」とおっしゃる経営者さんは多いのですが、そして、実際にいいものなのに広がらないのは、広く知られていない、すなわち集客できていないということです。

飲食店の経営者というのは、いいものを提供するのだという職人的な気質と、それを自信を持って伝え、多くの人に知ってもらうという広報的な役割を担う、この両面を持っている必要があります。

この職人的な気質は、修行経験がある方なら既に備わっているわけで、それを磨き続けることは確かに大切だとは思います。

その一方で、広報という役割に対しては、修行したからといって観に備わるものではありません。故に、売上が芳しくないと、もっといいものをという意識で現場で試行錯誤されるのですが、現実は広報が弱くて、そのいいものが全く伝わっていないわけです。

なので、いいものをといくら努力しても、知ってもらえなければ、来店して手に取ってもらえないのだから、売上は一向に上向きません。

まだ改良の余地はあっても、現状で十分に自信を持って提供できるという認識があれば、そこからは集客に力を入れる段階に来ていますから、やらなければいけないことは、集客です。

集客は確かに難しい

これ、本当に分かります。自身も苦労してきましたし、悩みました。なぜ売れないんだ、いいものなのにどうして買ってもらえないんだと、もがき苦しむ日々を送りましたが、今から思えば、アピールが足りず、誰も知らなかったということ。

その後、だんだん売上が伸びて、顔馴染みのお客さんができると、店頭で世間話などをする機会も増えていくのですが、ここでよくお客さんの口から出てくるのが、「こんなに近くにあって前を通っているのに、入ってみるきっかけがなかった」というような言葉です。

考えてみれば、いくら手が届くところにあっても、“気づかなければ存在しないのと同じ”なのですから、当たり前の話なんですけどね。

なので、売上が立たない、売上が伸び悩んでいるという現状があるなら、商品やサービスを今一度チェックして問題ないと判断したなら、今まで以上に、そして違う方法も試しながら集客に力を入れてください。

また、まだ開業していない段階なら、お客さんが多い飲食店は、どんな集客手段を講じているか、観察してみてください。

まずは、いい商品を、そして次に、集客を。

CAFERES 2019年 06 月号 [雑誌]
CAFERES6月号「バリスタのカフェ開業」